人材紹介会社を利用する前に。転職・退局はまだするな!!〜転職・退局で失敗しないための21ヶ条

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人材紹介会社を利用する前に知るべきこと

NO.7 人材紹介会社って何?

はじめにになぜ自らの業界のこと(筆者も人材紹介会社の社員です)をお話しようと思った理由を述べたいと思います。

それは

(1)意外にも医師の皆様が「人材紹介会社」のことを知らない
(2)どこの紹介会社も皆同じと思っている方が多い
(3)我々の業界をより知っていただくことで、皆様がより効果的に「人材紹介会社」を使っていただきたい

・・・といったことによります。

皆様は医師免許を持たれている方(のハズ)ですので、利用するべき紹介会社というのは医療系に特化した紹介会社になると思います。ちなみに看護師や医療事務というのは他の紹介会社大手も今参入が増えていますが、医師は特殊な業界ということで、医師専門(医療専門)の紹介会社がほとんどとなっています。
現在医師を含めた医療系の人材紹介会社は我々の調べでざっと100社ほどあり(紹介業の免許だけ取って営業をしていないところを含めると、もっとあります)、そのほとんどが小規模の会社です。もともと人材紹介というマーケット自体もそれほど大きくありません。
しかも医師専門となるともっとマーケットが小さくなるので、大手と言えども担当者は数人〜数十人の世界となります。

ところで皆様がどこか紹介会社に登録しようと思った際、どのような会社を先に選びますか?
たいてい大きい(と思われる)会社から順に登録されるのではないかと思います。

ある程度それは正しい選択であり、会社が大きいほど情報は多く、選択肢の幅が広がるハズですので、求職者にとっては有利と言えます。

ただし先ほどもお伝えした通り、大手といえども担当者は本当に少人数の世界です。そこに医師がどっと登録したら・・・。丁寧な対応は出来るのかという疑問が湧きます。

ここで当社のような小規模の会社と大規模な会社の長所、短所をご紹介いたします。

<大規模な会社>

●長所
・情報量が多い
・安心感がある
・登録しやすい(WEB機能などが発達している)
○短所
・往々にしてレスポンスが遅い(らしい)
・担当者がころころ代わる(別業界からの転職して間もない者が多い)
・求人担当、求職者担当、WEB担当など役職が分かれ、会社の中で意思統一がされていない(らしい)

<小規模な会社>

●長所
・一人の担当者がずっとサポートする
・レスポンスが早い
・転職のあらゆる相談にのれる
○短所
・情報量が少ない
・あまり多くの人をさばけない
・認知度がない

いかがでしょうか?

結論で言えば大きい会社も小さい会社も一長一短があるということですが、皆様としてはこのような長所、短所を知った上で紹介会社を利用することをお勧めします。

ちなみに大きい会社と小さい会社の見分け方が分からないという方もいらっしゃると思いますが、その会社の認知度の高さである程度見極めていただければと思います。

NO.8 人材紹介会社の仕組み

皆様の中にはすでに他の紹介会社に登録されている方がおられると思いますが、登録の際などに費用などは一切かからないという説明(文書)をお聞きになり、どうして無料でサービスが受けられるの?という疑問を持たれた方が少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。そこで人材紹介サービスの仕組みについて少しご説明したいと思います。

「人材紹介会社の仕組み」
通常当社のような人材紹介会社にとって、お客様は2つ存在します。
・1つは皆様のような求職者の皆様
・もう一方は求人の皆様
です。ただし人材紹介会社が報酬を得るのは求人側からのみということになっています。(一部カウンセリング料金と称して求職者側から報酬を受けているケースもあるかもしれません)

つまり皆様が人材紹介会社のサービスを通じて転職が成功した場合、その報酬は求人側から頂くことになります。ちなみに手数料は皆様が働いて稼ぎ出す予定の年収(または月収)のある一定のパーセンテージを頂くというシステムになっています。

またこれらの料金は成功報酬となっており、皆様がある一定期間以上(通常約半年)勤務していただかないと全額は受け取れないということになっています。

はたから見ると紹介するだけでお金がもらえる楽な仕事であると思われるかもしれませんが、報酬を得るには、皆様とお会いしてマッチングできるのが、3ヶ月〜6ヶ月(常勤の場合)、その後半年続くわけですから、長い方だと1年以上経ってやっと努力が報われるということになります(また人を扱う職業上、そんなすんなりとマッチングは成功しません)。

とはいえ、医療の世界に限らず我々のような人材紹介会社は今非常に注目を浴び、業績を上げてきています(一般の紹介会社大手であるリクルートやインテリジェンスなどの会社名はよく電車の広告などでご覧になられた方もいらっしゃるのではないかと思います)。

ちなみに転職の世界で“エージェント”という言葉があり、求職者の代理交渉役として大リーガーのエージェントと同じイメージで捉えられている方がおられますが、エージェントは求職者本人と独占契約をして、球団(=求人)と交渉する交渉人であるのに対し、紹介会社は求職者の方とは特別な契約をしません(お金の収受もなし)。その代わり求人との紹介契約を交わし、求人と求職者の意見を取り持って、マッチングに結びつける役割を意味します。マッチングのプロセスの中で先生方に代わって交渉をするというのは間違っていませんが、大リーガーのエージェントとは多少意味合いが異なってきますので、お気をつけ頂きたいと思います。

NO.9 人材紹介会社の選び方

そろそろ皆様も人材紹介会社のことが分かってこられたのではないかと思いますが、人材紹介会社が実際良い会社なのか、悪い会社なのかを判断するポイントについてお話したいと思います。

筆者自身自分の転職に際し、幾度か人材紹介会社は利用させていただきました。最終的には自分で転職先を決めたため、人材紹介会社側の実績にはならなかったのですが、色々な人材紹介会社とやり取りをする中で、「ここは良い会社」「ここは悪い会社」と区別できる目を持てるようになりました。

では、どういった会社が良い会社であると判断したかということですが、それは「 いかに自分に対して気をかけてくれているか? 」ということにつきると思います。

皆様自身感じられていると思いますが、転職というのは自分の生涯においても非常に大切なイベントです。そのイベントをサポートしてくれる会社がもし自分にあまり気をかけてくれなかったらどうでしょう?その会社から良いサービスを受けられる訳がありません。

筆者が何社か登録した人材紹介会社の中で、登録をしたにも関わらず何ら連絡がない会社が1社ありました。その会社については今まで非常に良い印象を持っていたのですが、それ以来大嫌いになりました。筆者が考えるに、その会社は求職者に対して
「いい求人がもしあれば紹介してやろう」
というような上から見下ろすような態度だったのではないかと思います。

求職者としては、登録をしたのだから何らかの反応があるだろうと思うのは当然のことだと思うのですが、実際登録しても連絡をくれない紹介会社は多いと聞きます。

皆様は、人材紹介会社とのやり取りの中で、サービスについての熱意は感覚的にもお分かりになると思いますが、筆者があえてそのポイントを上げるなら次の3つになります。

(1)こちら(求職者)からの問合せに対してのレスポンスが早い
(2)提案(求人紹介など)が具体的である
(3)コンサルタントがこちらの話を親身になって聞いてくれる

結局求職者に対して気持ちのこもった対応が出来るかということですが、皆様が人材紹介会社とお付き合いする場合には上記のようなことに注意して、ご自身に合った良い人材紹介会社をお選びいただければと思います。

なおこれは余談になるかもしれませんが、多くの人材紹介会社は多数の求職者、求人を扱っているのも事実です。もしかしたら多忙のために、皆様に連絡をし忘れているかもしれません。「連絡が最近ないなぁ」と思った時は皆様の方から問合せをし、その時の対応で判断するのも一手です。 また皆様がもしその紹介会社以外のルートで活動をしている場合、その状況も出来る限り担当者にお伝えしていただきたいと思います。登録者の中には、特に転職活動が終わっても連絡してこられない方がいますが、これはマナー違反だと思います。転職が決まったら、人材紹介会社にも一報(メールで結構です)入れていただくようお願いいたします。

NO.10 人材紹介会社を使うメリット

では「人材紹介会社」を使うメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。

今まで書かせていただいた中でも、紹介会社を使うメリットは少しご紹介していますが、今一度ポイントを以下に記したいと思います。

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<人材紹介会社を活用するメリット>
(1)雑誌や求人サイトなどのメディアに掲載されていない求人情報が得られます
(2)コンサルタントが皆様のキャリアを第3者的に判断することで今後のキャリアプランが明確になります
(3)コンサルタントが転職の希望や条件を聞いた上で、皆様に代わって求人企業の選別を行うため効率的な転職活動が可能です

  *弊社会社案内より引用

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すでにこのようなメリットは皆様ご理解頂いているかもしれませんが、今回は上記のメリットの詳細を少しお話したいと思います。

<(1)について>
求人側(=病院)にとっては、自分の病院名を出したくない、求人情報を公表したくないと言われるところがあります。そういう機関については登録していただいた方にだけ公表するケースが多いため、広く情報を集めたい場合は紹介会社に登録していただいた方が有利となります。

<(2)について>
医師の中には、今の現状(当直が多すぎる・・・など)から逃れたいとか、開業のためにどこかで勉強したいなど色々な転職理由がありますが、それの解決策や今後のビジョンが明確にない方もいらっしゃいます。ややもすれば独りよがりになりがちな考えも、第3者と話し合いをすることにより、今後の(=転職後)方向性が明確になるということがあります。

<(3)について>
人材紹介会社は常に求人情報の収集を行っております。インターネットにより多くの情報が皆様自身で検索することが出来るようになりましたが、いわゆるデータだけの情報だと求人の本質は分からないところが多々あります。当社のような紹介会社は常に求人の方との実際のコミュニケーションを取っておりますので、皆様に合った求人を効率的に検索し、ご紹介することが可能となります。

独りで転職活動をするのはなかなかつらい面もあると思います。ぜひ転職活動のよきパートナーとして人材紹介会社を利用していただければと思います。

NO.11 人材紹介会社をうまく活用する

「人材紹介会社をうまく活用する」
転職をする上で人材紹介会社というのは万能ではないのですが、ただ先生方については無料でサービスが受けられるという点において、選択肢の一つとして考えるのはとても有効です。そこで人材紹介会社をうまく利用する、その活用術についていくつか述べたいと思います。
ちなみに下記のサービスを積極的にはやっていない会社もあるかもしれませんので、ご了承ください(当社では実践しております)。

(1)転職活動の相談ができる
転職活動というのは意外に手間がかかる作業です。時間が余るくらいあるような人はともかくとして、限られた時間内で効率よく事を運ぶことが、転職活動では必要です。
そのためには自分の経験、知識に応じたどんな求人があるのか?また転職を成功させるにはどのような紹介会社を使い、どういった活用をしたらよいのかを事前にしっかり調査する必要があります。転職活動は行き当たりばったりよりやはり戦略的に行動した方が効果的です。そういった意味において人材紹介会社は皆様の転職活動をどう進めていったらよいかのアドバイスが出来るのではないかと思います。実際の転職活動前の段階でも一度相談してみると今後の活動がしやすくなるのではないでしょうか?

(2)自分が気になる求人をチェックしてもらう
「人材紹介会社に登録したのはいいが、なかなか求人を紹介してくれない」というのは、求職者の皆様からよく聞く話です。それは往々にして求人の条件が難しい医師の方に多いと思いますが、求人のリサーチを全て人材紹介会社に任せておくのはよくないと思います。ご自身でもある程度調べられて、「実際自ら受けにいくほどのものではないが、ちょっと気になる」というような求人があれば、人材紹介会社に問合せてみるのも一手です。親切な人材紹介会社社員であれば、皆様の代わりにその求人の情報を聞き出してくれると思います。

(3)面接同行をしてもらう
医師の人材紹介会社であれば、これはそれほど珍しいことではありません。皆様が求人側と面接(見学などを含む)をされる時は人材紹介会社社員もその席に加わるということが多くなっております。ご自身で応募された場合は面接において受け答えしなければなりませんが、人材紹介会社社員が横にいた場合、受け答えのサポートをすることができますし、その後の面倒な条件交渉も人材紹介会社社員が基本的にやりますので、非常に楽だと思います。また求人側も人材紹介会社社員が付くことについては、好感を持つところが多いと思います。

ちなみに一般の人材紹介会社に比べると医師の場合は非常に手厚いサポートをしていると言えます(普通一般の紹介会社においては、面接同行などはあまり聞いたことがありません)。

このようなサポートがすべて無料で受けられる訳ですから、うまく人材紹介会社を使わない手はありません。

NO.12 「転職活動は慎重に」 を読む