●風が吹いたからって
桶屋(ルビ:おけや)は儲からない?
さて、まずは考えるコツとは何か。考えるコツ≒論理的思考回路を身につけることだと前述した。そもそもロジック(論理)って何だろう。辞書で引いてみると

と書かれている。つまり、結果や現象とその原因の間にあるそれぞれの要素のつながりになるメカニズムやシステムのことであり、因果関係のプロセスでもある。まだ、わかりづらいので、一つクイズを出そう。

『風が吹けば桶屋がもうかる』ということわざがある。風が吹くと砂ぼこりが舞い上がり盲人が増え、盲人は三味線を弾くので三味線に張る猫の皮が必要で猫が減り、天敵のいなくなったネズミが大量発生して桶をかじられるので桶屋が繁盛する。だから風が吹けば桶屋がもうかるという理屈だ。これを知ったあなたは、空っ風の多い地域で桶屋を始めるだろうかというのがクイズの内容だ。ほとんどの人は“多風地域だからという理由”ではまずやらないだろう。“風が吹く”という原因と“桶屋がもうかる”という結果の間にあるそれぞれの因果関係がこじつけだらけの屁理屈だと簡単に理解できるからだ。
しかし、世の中には風が吹けば桶屋がもうかると思い信じて行動している人は多い。そんなことないだろうって? では、国内企業のうち毎年2万件前後が倒産しているのはなぜだろうか。成功を信じて活動(=原因)した結果が倒産である。通常の世界では“風桶”のように1本で因果関係が明確になることはない。しかし、因果関係を明確にしていくことで間違いに気づくだろう。努力しても思うようにうまくいかないときは、“風桶”状態になっている場合が多いのである。
このようにロジックとは人の意思決定を容易にし、人を説得させる力をも持っている。そして、因果関係の間にあるプロセスを明確にしていく必要性がいかに重要で効果的かおわかりになるだろう。つまり、考えるコツとは、因果関係の間にある要素とそれをつなげているシクミを見つけ出す意識と技術を持つことにある。 |